2022.12.12 【N】邸: 孟宗竹の竹穂垣
【gallery】
竹穂垣の建て替え工事をご依頼いただきました。
様々な種類がある竹垣の中でも「竹穂垣」は一番に繊細さと豪華さを兼ね揃えています。
その所以である縦に一本一本丁寧に差し込まれた竹穂は、
竹の中でも長い穂を持つ孟宗竹から採られたものを使用しており、
施工に入る前の下準備として、長さを合わせ、余分な枝葉を取り除き、
立て込んだ際の枝数が良くなるようにトリミングする『芯作り』を竹穂一本一本に行います。
1m当たり少なくとも100本程度使用する為、かなり根気の要る作業です。
竹穂の押さえ竹は裏面から薄く削っていき、弾力を持たせる加工をします。
見栄えの観点から厚さは出さずに、しっかり穂の広がりを押さえられる様にする為です。
そして竹穂垣の真価の1つとも言える表面の化粧ですが、今回は「節揃え」で仕上げました。
細い竹穂の節が一列に揃う事で、洗練された統一美が現れます。
今回のお施主様のお庭には、杉の仕立ての1つである「台杉(北山杉)」が植えられていました。
室町時代の茶の湯文化の流行と共に、京都の北山地域で発展した品種です。
日本の伝統美を伝えられるお庭で仕事をさせていただきました。